宮沢賢治と橄欖の森

賢治作品に登場する植物を研究するブログです

やまなし

童話『やまなし』に登場するクラムボンは石の下の小さな生物という意味である

前稿(石井,2021)で,童話『やまなし』に登場する〈クラムボン〉には従来の解釈と異なり先住民の女性が投影されていて,賢治の悲恋物語が描かれているという新しい説を示した。すなわち,童話には谷川に棲む〈魚〉と〈クラムボン〉の悲恋物語が記載されて…

童話『やまなし』は魚とクラムボンの悲恋物語である

宮沢賢治の童話『やまなし』は,大正12(1923)年4月8日に岩手毎日新聞に発表されたものである。この童話には,〈蟹〉,〈魚〉,〈鳥〉などの動物や「樺の木」や「やまなし」などの植物が登場し,〈蟹〉の親子(父親と二人の男の子)がこれら動植物を谷川…

宮沢賢治の『やまなし』-登場する植物が暗示する隠された悲恋物語(3)-

Keywords: アイヌ語,イサド,イワテヤマナシ,カスミザクラ,カリンパ,クラムボン,オオウラジロノキ 前稿(Shimafukurou,2021b)では『やまなし』発表前後の作品に登場する植物に着目する方法で新説を裏付けることができた。後編では『やまなし』に登場…

宮沢賢治の『やまなし』-登場する植物が暗示する隠された悲恋物語(2)-

Keywords: アイヌ語,蝦夷,カゲロウの幼虫,カシワ,鬼神,コルボックル論争,クラムボン,涙ぐむ目,ニンフ(妖精),杉,スイレン属,手宮洞窟 前稿(Shimafukurou,2021a)では〈クラムボン〉の正体の解明を試みた結果,〈クラムボン〉には従来の解釈と…

宮沢賢治の『やまなし』-登場する植物が暗示する隠された悲恋物語(1)-

Keywords: 文学と植物との関わり,クラムボン,魚口星雲,二枚貝,精神分析,食物連鎖,水生昆虫,前額法 宮沢賢治の童話『やまなし』(1923.4.8)には,〈蟹〉,〈魚〉,〈鳥〉などの動物や「樺の木」や「やまなし」(第1図)などの植物が登場し,〈蟹〉…