宮沢賢治と橄欖の森

賢治作品に登場する植物を研究するブログです

2021-06-18から1日間の記事一覧

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』-絹で包んだリンゴ-

Keywords : 文学と植物のかかわり,蝦夷(えみし),インディアン,郷愁,キカラスウリ,コロラド高原,新世界交響曲,種山ヶ原 童話『銀河鉄道の夜』には,「顔色」を果実の色で表現している箇所がある。日本人でキリスト教徒らしき少女(かほる)が「新世…

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』-リンゴと十字架(2)-

Keywords : 文学と植物のかかわり,五千起去,偽果(ぎか),川下(下流),くるみ,苹果の肉,法華経 白鳥の停車場(北十字)やサウザンクロス(南十字)の停車場の近くには「十字架」も立っていて,そこには「十字架」と共にキリスト教をイメージできる「…

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』-リンゴと十字架(1)-     

Keywords : 文学と植物のかかわり,かまど,苹果(りんご)のあかし,苹果の肉,成長物語 『銀河鉄道の夜』は,主人公のジョバンニとその友人のカムパネルラが夢の中を走る銀河鉄道の列車に乗って白鳥の停車場(北十字)からサウザンクロス(南十字)へ旅す…

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』-列車の中のリンゴと乳幼児期の記憶-

Keywords : 文学と植物のかかわり,嬰児籠(えじこ),異界,竈(かまど),原風景 『銀河鉄道の夜』(第四次稿)の中で,「リンゴ」という表現は18回登場する。内訳をいうと,「苹果」という漢字表記で15回,「りんご」という平仮名表記で3回使われている…