2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧
5.詩集『春と修羅 第一集』を出版して理念と命題の正しさを世に問うたが成功しなかった。 賢治は恋愛から宗教情操へ戻ることが正しいという自分の考えを第三者から支持してもらおうとしたと思われる。その一つの手段が「小岩井農場」(パート九)のある著書…
4.『春と修羅』の表紙にある「アザミ」の紋様は何を意味しているのか 詩「小岩井農場」は大正1922年5月21日の日付が付いているが,パート九の本稿(試論1)での引用部部分がその日に創作されたとは限らない。賢治研究家の杉浦静(1976,1998)によれば,詩…
3.賢治の理念と命題は万人に適応できるものかどうかもわからない。 詩「小岩井農場」(パート九)で,賢治は宗教者としての分身の主張を受け入れて「宗教情操→恋愛→性欲という命題は可逆的にもまた正しい」と判断していたが,この命題は物理学的法則のよう…
2.「宗教情操」と「恋愛から宗教情操への漸移」は正しく「宗教情操から恋愛への漸移」は正しくないとしている根拠はあるのか 賢治が「宗教情操」は正しく,「宗教情操から恋愛への漸移」を正しくないとしているのは「法華経」の教えによるところが大きいと…
賢治のように菩薩になりたかった人においては修行の初めに必ず起こす4つの誓いがある。「四弘誓願(しぐせいがん)」と言われているものである。仏教における「純粋な心」での「強い信仰心」は,大乗仏教的には「菩提心」と呼ばれている。さとり(菩提,bodh…